金山の交差点

カネカ・ここから代表取締役
川崎 恭平さん

カネカの初代・川崎俊治は、静岡県の天竜林業の祖である金原明善翁の「林業は国の柱」との薫陶を受け、1500ha余りの杉を植林することで金山林業の礎を築いてきました。それから150年の歴史を経て、先代が遺した財産であるこの強く美しくまっすぐな金山杉を素材として、森から繋がる一貫したシステムで、高品質・低コストの家づくりを実践しています。 株式会社ここから(COCOKARA INC.)は、「文化・教育の向上による永続できる町づくり」を目指し設立。企業のテーマを「伝統と踊る(Dance with Tradition.)」とし、小さく、大きく、確かな改革を進めます。

小出 有華さん

小出 有華さん

広島県出⾝、東京都在住。⼤学を卒業後、メーカーに勤めながら芸術⼤学で学び、18年に卒業。19年からフリーランスとなり、⾳楽とアートフェスティバルの企画運営やビジュアルデザインを⾏っている。⼿先が器⽤なのが⾃慢。趣味は油絵とDIY、焼き芋づくり。

小出さんからのコメント

川崎恭平さんは、建築家として都内で設計事務所をご経験したのち、30歳で金山町にUターンし、現在は株式会社カネカ、株式会社ここからの2社の代表取締役を務めていらっしゃいます。どちらの事業も金山町の資源を活用ながら、町を盛り上げていく仕掛けを企画・実践されています。

株式会社カネカは、林業の会社で、金山町の特産物である金山杉を建築の構造化化粧材として活用し、魅力的に発信しています。カネカでは、自社で樹齢100年の杉を育てており、それを加工することで魅力的な価格、寸法で、市場に提供しています。川崎さん自ら番付も行っており、意図のもった木の見せ方をしています。県内外から多くの引き合いがあり、住宅や店舗にも卸しています。最近では、20代、30代の若い世代の住宅の引き合いも多く、店舗では蔵や古民家の改修に利用することも多く、秋田県、山形県内でも多く施工に用いられるなど注目度の高い製品をお届けしています。

株式会社ここからは、金山町の街並みとパノラマ自然を活かしたさまざまなプロジェクトを立ち上げ、実践されている会社です。企業のテーマを「伝統と踊る(Dance with Tradition.)」とし、「文化・教育の向上による永続できる町づくり」を目指して設立されました。街並み活用の事業としては、遊休建築化している既存の建物の経済的活用があります。「アルベルゴ・ディフーゾ」の考え方を実行し、金山町の街全体の空き家を分散型ホテルとして活用することで町を活性化させます。金山町は、半径100mの範囲に、築100年超えの歴史ある建築が点在しており、それらを点在型のホテルや店舗、図書館を整備するため、現在、企業や投資家と協働しています。建築や街並みは文化的に価値があるもののため、現在、文化財登録の準備をしています。アクティビティと宿泊をセットにする体験ツアーの計画もあり、100年の金山杉の伐採を体感するコンテンツや、伐採した広大な敷地をモトクロスバイク場として利用するアクティビティの案も進行中です。これらの町と郊外をつなぐツールとして社会福祉法人陽だまりと協働した「馬車」移動や、e-bike利用を推進するなど、移動も特別な体験として楽しんでいただけます。

次世代の教育に貢献する事業として、子どもたちの英語の教育に力を入れています。遊休建築をリノベーションした建築的にも魅力的な公共の図書館を、子どもたちの第3の居場所として開いていきます。そこでは子どもたちに英会話の無償提供し、英語を身近に感じてもらうことで、世界とつながる力を提供していきます。この活動はすでにCOCO-TALKとして、町の住民を講師に招きいて子どもたちに無償の学びの場を提供しており、子どもたちだけでなく大人たちも刺激を受けています。

金山町の美しい街並みとパノラマ大自然を活用して何か挑戦したいという人は、たくさんの可能性がある場所ですので、ぜひチャレンジをしていただだければと思います!

川崎さんは金山町の資源を活かして、さまざまな事業を展開されています。金山町で「何かやりたい!」という方は、まず川崎さんに相談してみたらいかがでしょうか?強い熱量あるお方です。私は、金山町でのアートイベント実施や子どもたちの教育の部門で、何かご一緒できることがあれば良いなと思いました!